~副腎疲労・セロトニン・メラトニンの視点から考える~
朝はコーヒーを飲まないと目が覚めない」
そういう方は多いと思います。
しかし実際の臨床では、
・朝のコーヒーで元気になる人
・朝のコーヒーで逆に疲れやすくなる人
が存在します。
同じコーヒーを飲んでいるのに、
その理由は、自律神経の状態だけでなく、副腎機能やセロトニン・
今回は分子栄養学的な視点も交えながら解説していきます。
カフェインは「元気にする成分」ではない
まず最初に知っておきたいことがあります。
カフェインはエネルギーを作る成分ではありません。
実は脳を無理やり覚醒させる成分です。
私たちの脳では活動すると「アデノシン」
アデノシンは、
「そろそろ休みましょう」
という信号を脳へ送っています。
ところがカフェインはアデノシン受容体をブロックします。
すると脳は疲れていても、
「まだ元気だ」
と勘違いしてしまうのです。
つまりカフェインは疲労を回復させるのではなく、
朝のコーヒーで元気になる人
朝のコーヒーで調子が良くなる人には特徴があります。
・睡眠の質が良い
・副腎機能が安定している
・血糖値が安定している
・栄養状態が良い
・ストレスが少ない
このような方は身体のエネルギー産生能力が十分あります。
そのためカフェインによる軽い覚醒刺激がプラスに働きます。
また朝は本来コルチゾールという覚醒ホルモンが自然に上昇する時
健康な人ではこのリズムが正常なため、
朝のコーヒーで疲労感が増える人
一方で、
「コーヒーを飲まないと動けない」
「飲んだ直後は元気だが昼頃に急激に疲れる」
「午後に強い眠気が出る」
という方もいます。
この場合は注意が必要です。
慢性的なストレスが続くと副腎は大量のコルチゾールを分泌し続け
すると身体は常に交感神経優位の状態になります。
この状態でさらにカフェインを摂取すると、
・心拍数増加
・血圧上昇
・アドレナリン分泌増加
が起こります。
短時間は元気になりますが、その後に強い反動が現れます。
これがいわゆる
「カフェインクラッシュ」
と呼ばれる状態です。
疲れているからコーヒーを飲む。
しかし飲むほど疲れやすくなる。
そんな悪循環に陥っている方は少なくありません。
副腎疲労との関係
近年、副腎疲労という言葉には賛否があります。
医学的診断名ではありませんが、
ストレスが長期間続くと、
視床下部
↓
下垂体
↓
副腎
からなるHPA軸というシステムが乱れます。
すると朝に必要なコルチゾールが十分に出なくなり、
・朝起きられない
・疲労感が抜けない
・集中力低下
が起こりやすくなります。
こうした状態ではコーヒーによる刺激に頼りやすくなります。
しかし実際には根本的な回復にはなっていません。
例えるなら、
ガソリンが少ない車をアクセル全開で走らせている状態です。
カフェインとセロトニンの関係
分子栄養学ではセロトニン代謝も重要視されます。
セロトニンは
・精神安定
・幸福感
・睡眠の質
・痛みの調整
などに関わる神経伝達物質です。
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られます。
しかし慢性ストレスが続くとトリプトファンはセロトニン合成では
キヌレニン経路
へ流れやすくなります。
さらにカフェインの過剰摂取はストレスホルモン分泌を促進し、
すると、
・不安感
・イライラ
・睡眠障害
・慢性疲労
が悪化しやすくなります。
メラトニン生成への影響
実はセロトニンは夜になるとメラトニンへ変換されます。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、
深い睡眠を作るために欠かせません。
ところが午後以降にカフェインが残っていると、
メラトニン分泌が抑制されることが研究で示されています。
カフェインの半減期は個人差がありますが約5~8時間。
遺伝的体質によっては10時間以上影響が続くこともあります。
午後3時のコーヒーが夜11時の睡眠に影響することも珍しくあり
すると、
睡眠不足
↓
疲労回復できない
↓
朝コーヒーが必要になる
という悪循環が生まれます。
分子栄養学的に見る「コーヒーで疲れる人」の特徴
以下の項目に当てはまる方は注意が必要です。
・朝起きるのがつらい
・空腹時にコーヒーを飲む
・甘い物が欲しくなる
・夕方になると集中力が落ちる
・寝つきが悪い
・夜中に目が覚める
・慢性的な肩こりや首こりがある
・耳鳴りやめまいがある
・不安感が強い
これらは自律神経の乱れやHPA軸機能低下のサインかもしれませ
自律神経を整えるためのコーヒーの飲み方
コーヒーを完全にやめる必要はありません。
大切なのは飲み方です。
おすすめは、
起床直後ではなく起床後90分程度経ってから飲むことです。
朝は本来コルチゾールが自然に上昇します。
その時間帯を避けることで身体への負担を減らせます。
また、
・朝食後に飲む
・午後2時以降は控える
・タンパク質をしっかり摂る
・マグネシウムやビタミンB群を補給する
ことも重要です。
シナプス療法ができること
当院では、
「朝から疲れている」
「コーヒーを飲まないと動けない」
「睡眠を取っても回復しない」
という方が多く来院されます。
こうした方の多くは単なる筋肉疲労ではなく、
脳疲労
自律神経の乱れ
ストレス反応の過剰化
が背景にあります。
シナプス療法では神経伝達の異常にアプローチし、
実際に、
・朝のだるさが軽減した
・コーヒーの量が減った
・睡眠の質が改善した
・疲労感が減った
という方も少なくありません。
まとめ
朝のコーヒーで元気になる人と疲れる人の違いは、
背景には、
・副腎機能
・ストレス状態
・セロトニン代謝
・メラトニン分泌
・自律神経の状態
が深く関係しています。
もしコーヒーを飲んでも疲労感が抜けないなら、
「カフェインでごまかす身体」から「自然に回復できる身体」へ。
そのためには自律神経と脳の働きを整えることが重要です。