肩こりや腰痛、頭痛などが長年続いている方の中には、

 

「マッサージしてもすぐ戻る」

「検査では異常がない」

「ストレスで悪化する」

 

という経験をされている方が少なくありません。

 

以前は、肩こりや慢性痛は筋肉の硬さや姿勢不良、血流不足などが主な原因と考えられていました。もちろんそれらも関係していますが、近年の脳科学研究では、慢性化した痛みには「脳や神経の過敏状態」が深く関係していることが分かってきました。

 

特に注目されているのが、「神経炎症(ニューロインフラメーション)」という状態です。これは脳や神経に微弱な炎症が起き、神経細胞が興奮しやすくなっている状態を指します。

 

すると本来なら問題のない刺激でも、

 

「痛い」

「重い」

「張っている」

「つらい」

 

と感じやすくなってしまいます。

 

最近の研究では、脳内に存在する「ミクログリア」という免疫細胞が過剰に活性化すると、炎症性サイトカインという物質が増え、痛みを強めることが分かってきました。

 

つまり慢性的な肩こりや痛みは、単に筋肉だけの問題ではなく、「脳が危険を感じ続けている状態」とも言えるのです。

 

特に現代人は、

 

・長時間のスマホやパソコン作業

・睡眠不足

・人間関係のストレス

・不安や緊張

・常に気を張る生活

 

などによって、脳が休まらない状態になりやすくなっています。

 

脳には本来、身体を守るための“警報装置”があります。しかしストレスや疲労が長期間続くと、その警報装置が過敏になります。

 

すると交感神経が過剰に働き、無意識に首や肩へ力が入り続けます。

 

さらに呼吸も浅くなり、血流が低下し、痛みに対して敏感になります。

 

「嫌なことがあると肩が凝る」というのは、気のせいではありません。

 

脳が危険を感じることで、身体が防御反応を起こしているのです。

 

しかもこの状態が長く続くと、脳は「この人は常に危険な環境にいる」と学習してしまいます。

 

その結果、少しの疲労や刺激でも強い痛みとして感じやすくなります。

 

慢性痛の方には、

 

「寝ても疲れが抜けない」

「休んでも回復しない」

「頭が常に緊張している感じがする」

 

という方が多くいます。

 

これは単なる筋肉疲労ではなく、脳の興奮状態が続いている可能性があります。

 

最近では、慢性疼痛の患者さんでは脳のネットワーク機能や自律神経機能にも変化が起きていることが研究で示されています。

 

つまり、“脳が休めなくなっている状態”です。

 

だからこそ大切なのは、単に筋肉を揉むだけではなく、「脳や神経が安心できる状態」を作っていくことです。

 

脳は「安全だ」と感じることで、少しずつ警戒モードを解除していきます。

 

そのためには、

 

・深い呼吸

・十分な睡眠

・安心できる人との会話

・自然に触れる時間

・リラックスできる環境

・身体への優しい刺激

 

などが非常に重要になります。

 

実際に施術後、

 

「頭が静かになった」

「呼吸がしやすい」

「身体だけでなく気持ちも軽い」

 

と感じる方がいます。

 

これは筋肉だけでなく、脳や自律神経の緊張が和らいだ可能性があります。

 

近年の研究によって、肩こりや慢性痛は単なる筋肉の問題ではなく、「脳や神経の過敏状態」が関係していることが少しずつ分かってきました。

 

だからこそ本当の意味で回復していくためには、身体だけでなく、脳や自律神経を休ませていく視点も大切なのです。

 
 
 
 

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